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体験レポート
一音会の講師”増田椿先生”が、客員教授”ユージン・プリドノフ先生”のレッスンを受講された時の体験レポートです。ユージン・プリドノフ先生のレッスンを受けて
ユージン・プリドノフ先生は私が一音会に通っていた当時からいらしているのは存じ上げておりました。
ですが、当時の私は内気で「私なんかが外国人の先生にピアノを習うなんてハードルが高すぎる」という気持ちがあり、お目にかかったことがありませんでした。
しかし、今回勇気をだしてレッスンを受けてみたところ、自分が予想していたレッスンとは180度違ったものでした。
外国人の先生のレッスンを受けるのは私にとって初めての経験でした。通訳をお願いしていましたが、英語もわからないし、どんなレッスンになるのかと、楽しみと不安で心臓を鳴り響かせながらレッスン室の扉をあけました。その瞬間、サンタクロースのような可愛らしい男性が目の前に飛び込みました。
「Nice to meet you !」それが、ユージン・プリドノフ先生との初対面です。
今回はベートーヴェンのピアノソナタ第27番全楽章を聴いていただきました。この曲は私の大好きな曲ですが、テクニックはさほど難しくない反面、表現の仕方が非常に難しく、悩んでいたので是非アドバイスをいただきたいと思っておりました。
たった60分間の中でプリドノフ先生から教わったことは曲のとらえ方、表現方法、運指方法、ベートーヴェンについてなど数え切れませんでした。特にその中でも印象に残った言葉は「心を解放する自分を許してあげること」です。私は、ありのままの自分を出せずに悩んでいました。自分の感情を、音楽を介して表現することは難しいけれど、自分のありのままを愛し、それをそのまま出せばいいのだと、そんなことを教えてくださったのです。
ピアノソナタ第27番は、ベートーヴェンの耳が本格的に聞こえなくなってから書いた作品です。1楽章は、そんなベートーヴェンの苦しみ、悲しみがまさに写し出されている、と私は感じ取りました。ピアノ曲ではありますが、この曲を弦楽四重奏のように弾くと音楽の幅が広がるとおっしゃっていました。プリドノフ先生が弾くと、ピアノで弾いているはずなのに色々な楽器の音が聞こえてきて、スケールが広がり、なんとも不思議でした。
プリドノフ先生は世界中でご活躍されている方です。こんなにも素敵な方が間近で自分の演奏を聴いてくださって、教えてくださることは本当に貴重な経験だったと感じました。
また、プリドノフ夫妻によるコンサートも素晴らしく、楽しませていただきました。ありがとうございました。(増田 椿)